黒羽音響技研の実験室

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マイク・プリアンプって何? -Vol.2-

こんばんわー
先週からバイト始めました。
運良くオーディオ関係のお仕事なのですが
そういえば今までにオーディオ関係の仕事したことないなと。
嬉しい限りですw

大学の方も今年中の試験は終わりましたが…
色々やばすぎてアレかもしれないですね。


さて、先週に引き続きマイク・プリアンプの話をしていこうと思います。
先週はマイク・プリアンプの基本的な話をしたので今回は回路構成的な部分を書いていこうと思います。


■マイクの出力電圧
マイクから出力される電圧はマイク感度というもので表されています。
一例を上げると

-60[dB]

などと示されています。
この表記方法は1[V]を基底に1[Pa]の気圧変動の時にどのぐらいの出力がでるか
を対数を利用して示しているものになります。
そのため1[Pa]あたりの変動で得られる出力電圧を求める式は以下のようになります

2011-12MATH 1

Eはマイクからの出力電圧になるため単位は[V]、正確に言うのであれば[V/Pa]と言う単位になります。
Gはマイクの感度になるため単位は[dB]になります。-60[ddB]の場合は-60を代入します。
くれぐれも符号を忘れないようにw

さて、この式を利用すると-60[dB]の感度のマイクに1[Pa]の気圧変動を加えると1[mV]の出力が
得られることが分かります。
(冪数計算の手計算は煩雑なので関数電卓の使用を推奨します。)

1[Pa]とはどの位というと…
非常に曖昧なのですがピアノにオンマイクで立てたときに10鍵纏めて思いっきり叩きつけたぐらいなので
常用するのは半分ぐらいの0.5[mV]と仮定します。

あくまでも仮定なので確実な解ではありません。
今求めた0.5[mV]をマイク・プリアンプに入力する最小の電圧として以下では話を進めていきます。



■マイク・プリアンプに求められる電圧増幅度
先程マイクの出力が0.5[mV]であるということを求めました。
出力するためのラインレベルは最大で1.23[V]なので単純に割り算をする電圧増幅度Avは

Av=1.23/(0.5*10^-3)=2460[倍]

ということになります。
所で、なぜ-60[dB]の感度のマイクを取り上げたかというと、私の知る限りで最も感度が低いマイクが
-60[dB]だったからです。
最も低い感度のマイクで増幅度を求めればマイク・プリアンプに求められる最大の電圧増幅度が導けます。
但し、マイク・プリアンプの増幅度が可変出来るものでなければ感度の高いマイクを繋げたときに出力に大きな
電圧が出たり、波形がクリップしてしまう可能性があります。
そのため、今回扱うマイク・プリアンプの電圧増幅度は1~2460倍で可変出来るものとします。



■マイク・プリアンプの入力区分による増幅度配分
ここでようやく先週と話がつながります。
先週はマイク・プリアンプの初段による区分の話をしました。
今回は回路構成的に何がメリットを生み出しているのかを解説していきます。

1:トランス・インプット型
トランス・インプット型の大まかなブロック図を以下に示します。
(画像をクリックすると拡大します)

MIC1.jpg

マイクプリ・アンプに必要な最大電圧増幅度は先に求めた通り2460倍です。
入力トランスに巻線比1:10の物を用いれば、一次側に入力された信号は2次側では10倍となって出力されます。
その結果、能動素子で構成するアンプ・セクションは246倍の電圧増幅度を持てば良いことになります。

マッチング・トランスの最大の利点である理論的に雑音が無いということから、マッチング・トランスが担当する10倍
の増幅には雑音が極めて少ないものと考えられます。
その後に246倍の能動素子によるアンプがつながります。
一般的にオペアンプなどの能動素子によるアンプは電圧増幅度が高ければ高いほど雑音特性や周波数特性が
悪くなります。
そのため、アンプ・セクションでの能動素子による電圧増幅度を大きく取らないで済むというのがトランス・インプット型の
利点になります。


2:コンデンサ・インプット型
コンデンサ・インプット型の大まかなブロック図を以下に示します。
(画像をクリックすると拡大します)

MIC3.jpg

マイクプリ・アンプに必要な最大電圧増幅度は先に求めた通り2460倍です。
コンデンサは直流成分を遮断する事が出来るためファンタム電源使用に出力に直流が出力することを防ぎます。
しかし、トランスとは異なり電圧を大きくすることができないのでアンプ・セクションで担当する増幅度はもろもろの
2460倍になってしまいます。(トランスは直流成分を遮断し信号を増幅することの両方が可能)

つまり、低雑音に仕上げるためにはアンプ・セクションの設計に全て関わっていることになります。
しかしながら、トランス・インプット型とは異なり軽く安価な物を作ることが出来るほか入力インピーダンスを高く
することができます。


3:受動素子へ直接接続する
受動素子へ直接接続する方法の大まかなブロック図を以下に示します。
(画像をクリックすると拡大します)

MIC2.jpg

マイクプリ・アンプに必要な最大電圧増幅度は先に求めた通り2460倍です。
また、ファンタム電源の使用はアンプ・セクションの構成により可否がわかれます。
アンプ・セクションに入力される直流成分はホット-コールド間なので同相入力となり上手く行けば打ち消せます。
しかしながら、ファンタム電源に直列に入る抵抗器の相対誤差により直流電圧が少しでもずれると電圧増幅度倍に
された直流信号が出力されます。

結論を言うのであればファンタム電源の使用を想定するのであればDC直結アンプ(直流増幅器)としての構成を
取るのは不安材料が多い事になります。

コンデンサ・インプット型と同じに、低雑音に仕上げるためにはアンプ・セクションの設計に全て関わっている
ことになります。
しかし、トランス・インプット型とは異なり軽く安価な物を作ることが出来るほか入力インピーダンスを高く
することができます。



取り敢えず今回は此処まで!
といっても、続きを書けるほどのことがあるのか分からないので質問がある場合はコメントしてください。

トランス・インプット型が最強なんじゃないかと、一見すると思うのですがコストの問題や入力信号インピーダンス
によって変化する周波数特性など色々デメリットもあるのですよ。

マイク・プリアンプのキットを出すとしてもトランスを使う場合は入手性や価格が響いてきますからね…
どうしたものか。

取り敢えず、今年中の忙しさマッハ期間は終わったようなので色々と溜め込んでいたものを作っていこうと思います。

此処までお付き合い下さいまして有難うございました!
それでは次回!!




PS…
ホームオーディオ向けじゃない基板の色は紫になるやも。
PADの説明をしていないので次回にするかもしれません。


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  1. 2011/12/23(金) 01:11:30|
  2. 日記
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